スリリングなリピート

 最近、なかなか満足できる映画が無かったのですが、久々に時間を忘れてのめり込める映画に出会いました (^^) 日本では、あまり話題にならなかったのですが、「バンテージ・ポイント」という映画です。



 「24」のような、テロ事件の犯人を追う話ですが、秀逸なのが事件の見せ方です。事件そのものは(映画内の時間で)30分程度で終わるのですが、その時間を様々な人の視点で何度も繰り返すんです。まずはテレビの撮影スタッフによる、第三者としての視点から事件が流れます。そしてある程度事件が進んだ所でストップ。時間が巻き戻り、今度はシークレットサービスの一員として、事件の最初から見直します。こちらも、ある程度事件が進んだ所で終了。また時間が巻き戻り、次は別の人の視点で…という調子で話が進み、徐々に事件の全貌が明らかになって行きます。
 この繰り返しが飽きる、という方もいましたが、私は楽しかったです。1回毎に話が明らかになる展開、そして飽きそうな頃に大きく状況が変わる作りに、引き込まれて行きました。また終盤には、なかなか迫力のあるカーチェイスシーンもあります。日本で話題にならなかったのが不思議というか、勿体無い程、なかなかの映画でした。


 あえてケチを付けると…まず少々リアリティーが弱い事。冷静に考えれば、あんな絶好の狙撃ポイントに警備が無いはずがないし…また最重要の襲撃を、バックアップも無く一人で行っていたのも無謀です。もう一つの欠点が、劇中の時間が30分程度なので、意外に話がこぢんまりしてしまっている事。あれ?これで終わり?って感じでした。最後は、もう少し盛り上げても良かったんじゃないかな。
 あと、映画会社の宣伝が悪いのも欠点でしょう。「あなたは8回目撃する」とか「容疑者は8人」とかキャッチフレーズがありますが、デタラメです。気にしないようにしましょう。
 まあでも、欠点というより、粗探しのレベルでしょう。アクションサスペンス好きな方にお勧めします (^^)/