その謎…LOST


 先日、海外ドラマの「LOST」、全121話を見終えました。一年前くらいからレンタルで見始めて…最初はスローペースだったのですが、数ヶ月前から、ゲオの100円レンタルを利用して急激にスピードアップ。平均で、週に5話くらい見るようになって、ついに完結しました。
 日本での話題はほどほどですが、アメリカでは「24 -TWENTY FOUR-」に次ぐ人気作。概要を知ってる方は多いでしょう。飛行機事故で謎の島に漂着した48人の生存者が、数々の奇妙な出来事に遭遇する中、脱出を目指し、サバイバルを続けるストーリーです。
 特徴的なのは、謎の多さと、見事な伏線です。「24 -TWENTY FOUR-」は危機また危機でしたが、こちらは謎また謎です。わりとあっさり解決する謎も多いのですが、それはまた新たな謎につながって行きます。そして伏線の数々。まさか、このエピソードが、こんな事に使われるのかと、何度も驚かされました。
 ただ話が複雑なので、私のように DVD で一気に見ないと、色々辛いように思います。本国で放送された時は、きっと総集編のようなものが何度も作られたでしょうが、それにしても、121話、完結するまで約6年は長いです。
 欠点らしい欠点としては…話が進むにつれ、主人公達の知らない事情を知ってる人が大勢出てくるのですが、彼らが揃いも揃って、事情の説明をしてくれません。重要な謎の鍵を知る人程、自分達が何者で、何の目的で、何をしているのかを話しません。その為、シーズン3の後半以降、随分とストレスが溜まりました。どのくらいストレスかと言うと、登場人物ですら、説明しない事に腹を立てて、味方であるはずの人に背を向ける程です(苦笑)。それさえ我慢できれば、伏線の数々と、予想のつかない方へ転がるストーリー、非常に楽しめる作品だと思います。
 ファイナルシーズン以外は。


 ファイナルシーズン(シーズン6)、駄目ですね…。いや、内容が極端につまらなくなった訳ではないですし、最終回やそこにつながる流れはわりと好きなんですが…とにかく山のような謎を残して終了します。これにより、先程、事情を説明しなかった人達は、実は設定を考えていなかっただけ、という疑惑も出てきます。
 そして、それ以上に残念なのが、シーズン4, 5 の話の流れが、シーズン6で全然生きていない事。シーズ1〜3+シーズン6か、シーズン1〜5+2話くらいの方が、余程まとまった作品になったでしょう。
 謎が残るから人気が続くとか、人間ドラマだから謎が残っても良いとか、したり顔で解説する人もいますが、欺瞞でしょう。謎だらけの話を用意して、人々を惹きつけたにも関わらず、その謎を解決できないのは、ストーリーが悪いといいます。しかも「LOST」の場合、滅多に無いケースだと思いますが、終了する3年前に、あと何話作るかが決められていました。打ち切りで謎が解決しなかった、という訳ではないのです。
 そんな訳で、非常に面白くも、ファイナルが傑作になり損ねた感じで、残念なドラマでありました。


 ちなみに、同じ放送局が制作のドラマ「フラッシュフォワード」は、「LOST」の後釜になる事を期待されていましたが、シーズン1のみで打ち切りになってしまいました。ものすごい話題作だったはずなのですが…謎の多い連続ドラマって難しいんですね。