「ダ・ヴィンチ・コード」の後は…?

 少し前、図書館に行って、幾つか本を借りたのですが…なかなか「これっ」というものには巡り会わないですね。そんな中、面白かったのが、ジェームズ・ロリンズの「マギの聖骨」でした。


マギの聖骨 (上)

マギの聖骨 (上)


マギの聖骨(下)

マギの聖骨(下)


 日本では翻訳作品の無い作家でしたが、アメリカではちょうど注目されていた作家のようです。それが、この作品でブレイクと言う感じでしょうか?最近では、インディ・ジョーンズ の最新作の、ノベライズ版も書いています。


 さて、この「マギの聖骨」は、「ダ・ヴィンチ・コード」で盛り上がった、ヨーロッパの歴史ミステリーに便乗した形で、宣伝されていました。

「『ダ・ヴィンチ・コード』じゃ物足りない!!」というアナタ、こっちはスゴイぞ。
福井晴敏


 とキャッチフレーズがあったほどです。アメリカでも、「ダ・ヴィンチ・コード」が面白かった人に勧める本という形で、紹介もされていたようです。よくあるタイプの宣伝ですが…これは、本当に面白かったです (^^)


 舞台は現代、ドイツのケルン大聖堂が何物かに襲撃され、東方の三博士(マギ)の遺骨が奪われる所から話が始まります。その行方を追う主人公達は、各地の遺跡を回り、歴史に隠れていた真実に迫って行きます。
 「ダ・ヴィンチ・コード」と同じタイプの話に見えますが…大きな違いが二つあります。一つは、主人公がアメリカ特殊部隊の隊員である事。もう一つが、話全体が、ノンストップアクションである事です。「ダ・ヴィンチ・コード」というより、インディー・ジョーンズ + トゥームレイダー という感じです (^^;) こう言った映画が好きな方なら、楽しく読めるでしょう。このまま映画になりそうな内容でした。
 逆に、じっくり歴史ミステリーを楽しみたい人には、拍子抜けかもしれません。この本で語られる多くの事は、事実を元にしているものの、全体的には、ノストラダムス のようなオカルト的なものだからです。例えば、話の中で鍵となる物質ですが、日本では「ホワイト・パウダー・ゴールド」として、オカルト雑誌「ムー」で紹介されていたりします (^^;;;) 面白そうな物質なんですが、報告をあれど、まだ立証されていない物質みたいですね。
 ともあれ、歴史ミステリーをスパイスにした、アクション小説として読むのが正しいんじゃないかと思います。


 話自体は、なかなか秀作。楽しく読ませてもらいました (^^) 同じ主人公で、シリーズ化もされているので、こちらもいずれに読みたいと思います。未訳のものも多いし、原書にも挑戦してみようかな。