小説読んでない方の入門にも良いでしょう

 一昨日になりますが、こちらのコミックを買いました。


魍魎の匣 (2) (怪COMIC)

魍魎の匣 (2) (怪COMIC)


 京極夏彦 の小説「魍魎の匣」のコミック版、第二巻です (^^)/ この漫画は、「コミック怪」と言う季刊誌に連載されていて、その二話分が一冊のコミックになると言う形で刊行されています。
 マイナーな連載ではあるのですが…季刊誌連載と言う利点が出ている作品です。どんな長編漫画であっても、週刊誌の場合、一回の連載の短いページ数の中に、山場と、ある程度の話のまとめが必要です。それって結構、大変な事でしょう。ところが、季刊誌連載で、一回のページが長い場合、そうした事では悩まずにすみます。「魍魎の匣」の場合、一話が約100ページもあり、じっくり話を書く事ができます。
 その結果、すばらしい事に、このコミックは、原作の話を忠実に再現しています。京極堂の長い講釈も、数十ページにわたって、きちんと書かれています。さらりと流した映画版とは大違い!かなり感動しました。こんなのは、週刊誌の連載ではもちろん、月刊誌でも難しかったでしょう。


 ただし、少々難もありました。この巻から登場の主人公、京極堂 の顔が安定しないんですよね (^^;) コマによって、縦に伸びたり戻ったりします。あと、榎木津の顔も、まるでフランス人。とても優秀な軍人だったとは思えません。
 あと、一作目となる「姑獲鳥の夏」はコミック化されていないのですが、この設定を知ってる事が前提で書かれている所があって、そこだけは、初めて読む人は、分かりにくいでしょう。
 でも、原作に忠実に話を作る姿勢には、非常に好感が持てます。京極堂 シリーズを気軽に楽しむには、最適でしょう。映画より、断然良いです!個人的には、全作品のコミック化を行って欲しいとも思ってます (^^)