明日はあるのか?

 昨日に続き、今日は映画「トゥモロー・ワールド」を見ていました。テロが蔓延し、20年近くも子供が生まれなくなった近未来を舞台に、主人公は、かつての妻に通行所の手配を頼まれたのをきっかけに、ある少女を護送する事になります。
 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の監督が行っている事と、120億円もの制作費を使った事以外、イマイチ話題性が無かった映画なんですが、意外に評価が高いのを知り、今回レンタルしてみました。



 最初は、SFアクションかと思っていたのですが、全然違います。子供が生まれなくなった世界と言う事を除けば、SF要素は、ほとんどゼロ。ただシビアな世界・情勢の中の、一種のアクション映画です。非常に重苦しい世界感の中、ストーリーが進んでいくのですが…イマイチ私は楽しめませんでした。
 雰囲気自体は嫌いではないのですが、何と言うか、ストーリーが締まらないんです。例えるなら…スター・ウォーズの1作目(エピソード4)が、レイア姫を救出した所で終了した感じです。
 もしスター・ウォーズが、オビ・ワンや育ての親を失いつつ、人を一人救い出しただけで話が終わっていたら、ひどく物足りなかったと思います。この映画もそんな感じ。新たな子供が生まれなくて、テロの氾濫した、希望の無い世界で、一粒の未来を運ぶ話…と言えば聞こえは良いのですが、一粒が限りなく小さいんです。それが未来を変える力になれば良いのですが、映画を見た限りでは、そんな事は描かれていません。ただ一人の命を救う為に、大勢が犠牲になっていくストーリーは、今一つ、感情移入できませんでした。って言うか…ストーリーを期待しちゃいけない映画でした。


 それでも、戦闘…と言うより、戦争シーンは、かなりの迫力。個人的に、「ブラックホーク・ダウン」みたいな話だったなら、もっと良い映画になったんじゃないかな、と思ってます。この監督でリメイクしたら、なかなか面白いんじゃないでしょうか。
 個人的には物足りなさが残った作品ですが、見所も多い映画です。よかったらどうぞ。