とりあえず、読みにくい…

 今日は、色々あって読むのが遅れていた、島田 荘司 の 御手洗 潔 シリーズ「ネジ式ザゼツキー」(新書版)を読み終えました。


ネジ式ザゼツキー (講談社ノベルス)

ネジ式ザゼツキー (講談社ノベルス)


 記憶を無くし、更に記憶障害を持つ男が書いた、奇妙な童話から、御手洗 潔 が過去の事件を読み解く話です。記憶喪失の人の奇妙な言動に、その人の過去が隠されている…と言うのは、それ程珍しい話でもないと思いますが、そこから、まったく予想ができない、奇妙な世界・事件が発覚します。この辺は、御手洗 潔 シリーズならではの事件で、量産型のミステリーでは、決して見る事は無いでしょう。そんな奇想天外な事件が、きちんとミステリーとして解決される所は、お見事です。


 久々に読んだ、御手洗 潔 、非常に楽しかったのですが…話の内容以外の所で不満があります。それは、この本の大半が、横書きで書かれている事です。ちょっとした演出なんでしょうが、これが非常に読みにくいです。まず右ページの左上、つまり見開きの中央の一番上から右に読みだし、右ページの右下で終わります。そして左ページの左上に続くのですが、この時、本の見開きの対角線を、視線が動く事になります。これが予想以上に疲れました。
 色々演出を凝らす事自体は否定しませんが、読み手の事を考えた作りにして欲しいものです。この本を読んで、必ず読者が見やすいように改行位置を調節している 京極夏彦 が、偉大に思えました。