税金が増えそうです

 数日前のニュースですが、急にコメントしたくなったので紹介。


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/09/news070.html


 マイクロソフトの、iPod 対抗機 Zune の売上の一部が、ユニバーサル・ミュージックに支払われるそうです。
 これは、iPod のビジネスモデルに対する一つの対抗処置です。iPod のビジネスモデルと言うのは Apple の戦略で、iTunes Store で音楽を安く売り、iPod の売上で利益を上げる、と言うものです。例えばプレステとかのゲーム機は、ゲーム機を安く売り、ゲームソフトの売上の一部が SONY に還元されて、利益を得ると言うシステムを取っています。でも iPod は逆で、音楽の売上では赤字でも良くて、本体で利益が出れば良いと言われています。
 しかし、問題が一つあります。iTunes Store での販売は、Apple 側が値段を決めていて、レコード会社側は自由に設定できないのです。Apple としては、iPod が売れれば良いので、できるだけ iTunes Store で安く売ろうともしています。そこで、Apple とレコード会社とで、摩擦が起きたりしているのです。
 その状況の中、レコード会社としては、iPod の売上の一部をレコード会社へ還元すべきとも主張していました。iPod の売上が Apple の音楽事業の中核である以上、ソフトを提供しているレコード会社へも、その利益の一部を渡すべきと言うのです。Apple はそれには応じていなかったのですが…ライバルを目指しているマイクロソフトが、これに一部応じたと言うのが、今回のニュースです。
 ちなみに、こう言う方式は、製品の価格とは別に、レコード会社等に払うお金を取られる為、税金と呼ばれています。


 理屈としては、それ程間違っていないのですが…私としては反対。音楽って、その音楽が売れて利益を上げる物であって、税金で作るものじゃないじゃないと思います。例えば今のままのシステムでは、インディーズのバンドを楽しむだけに、Zune を買ったとしても、その売上の一部が大手レコード会社に渡る訳です。うまく Appleマイクロソフト等と契約を結んだ、大手レコード会社だけが、利益を受けるようで、嬉しくありません。
 もっとも、もともと音楽業界の利益の仕組みは、複雑です。例えば日本のCDレンタルが安いのは、カセットやMDのメーカーとレコード会社が結びついていると言う理由があります。レンタルが流行る=MDやカセットが売れる、と言う前提があってこそです。だから、Zune の売上の一部がレコード会社に渡るのも、そんなに変な事では無いのかもしれませんが…でもやっぱり、税金取られているようで不快です。特に私は、マイナーなアーティストが好きだし!
 たとえどんなシステムで音楽業界が利益をあげるにしても、大手のアーティストもインディーズも、同じ条件で利益が入るようになって欲しいと思います。