予想外の健闘かな

 まだ完結していない物を書くのは、主義じゃないのですが…でも、書いてしまおう。今週、実写版「ドグラ・マグラ」を毎日のように見ています。もちろん、昔作られた映画などではなく、最近発売中の nano のCDに付属のDVDに収録されているものです。なぜ、音楽CDに「ドグラ・マグラ」のDVDが付くのかは、さっぱり分かりません (^^;) ですが、これを考えると話が先に進まないので、これ以上突っ込まない事にします(笑)。
 今回の、nano の「ドグラ・マグラ」のDVDは、nano のCD、シングル7枚とアルバム1枚の全てについてきてて、全8話となっています。今までにシングル7枚が発売されていて、今日までに、その全てのDVDを見ました(最終話収録のアルバムは18日発売)。


 結論から言うと、これがなかなか、悪くないです。決してレベルは高く無いのですが、まずは企画が良かったです。全8話と書きましたが、各話が30分程度あるんです。作品全体で4時間くらいになるでしょう。これだけ時間が長いと、あまり原作を損なわない脚本を作れるので、それなりに内容が良くなります。「ドグラ・マグラ」と言う題材も良かったですね。
 実際、基本的には原作に忠実な脚本で、原作そのままの所も多いです。舞台が現代になってて、原作では学生の 呉一郎(HAKUEI)がミュージシャンになってるとか、ちょっとしたアレンジもありますが、まあ許容範囲内。ただ「キチガイ地獄外道祭文」や「脳髄論」のくだりが無くなってしまっていて、残念な所。さすがに、これまで盛り込むには難しかったでしょうか。頑張って欲しかったです。
 一つ企画で問題があるとすると、キャストです。nano で「ドグラ・マグラ」をやる以上、他に選択肢が無いのですが…主人公の青年を HAKUEI が、正木教授を 千聖 が演じているのです。年齢設定メチャクチャ! (^^;) (まだ発売されていない)最終話で問題にならないのでしょうか??


 企画以外の点では、書いたとおり、レベルは高くありません。PENICILLIN のメンバーは、俳優経験がまったく無い訳ではないですが…それでも素人です。セットも小道具も、お金かかってません。千年前の巻物が新品同様だったり、苦笑する所も多かったです。それでも、見るに耐えない、なんて内容ではなかったです。何て言うか、所詮素人が作ってる物と言う、どこか開き直っているのが、良かったでしょうか。C級の作品と割り切って見れば、安い作りも、それ程気にならなかったです。
 まだ最終話を見ていないので、今後評価が変わるかもしれませんが…現時点では、気軽に「ドグラ・マグラ」を知るのに、非常に良い作品だと思います。キー局は無理でも、地方のテレビ局に持っていったら、売れるんじゃないでしょうか?7話までの、3時間半、一気に見た訳では無いですが、退屈せずに見る事ができました。なかなか見応えのある物に仕上がっていると思います。限られたファンしか買わない、CDに付いてくるだけのものにしては、勿体無いでしょう。


 …と、褒めはしたものの、やっぱり突っ込みたい。4時間ものドラマを作るミュージシャンって、何なんでしょ (^^;) 企画したのは誰〜〜〜?