音楽の値段

 今月初め、妙なサービスの案内がありました。音楽配信サービスの、リッスンジャパンで、あるCDをアルバムまるごとダウンロードすると、後でCDの実物を送ると言う物です。対象は、あるゲームのサントラCDなんですが、音楽ダウンロードサービスの、根底を覆すような話です。
 正直、何を意図して行うキャンペーンなのか分からなかったのですが…これを逆の話として考えるなら、悪くありません。即ち、アルバムを購入すると、まずダウンロードで聴く事ができて、後日アルバムが送られてくると。実際、ダウンロードの値段とCDの値段は、同じに設定されています。


 だけどやはり、ダウンロード販売にCDの実物が付くのは、変な話です。元々、ダウンロード販売は、CDより気軽に安く買えるのがポイントです。本来、CD販売に必要な、原価(CD本体やケースなど)・流通・在庫、そう言ったコストがかからない分、安く売れるのが強みです。にも関わらず、こうしたキャンペーンが可能なのは…現在のダウンロード販売の価格が、高すぎると言う証明ではないでしょうか?


 これは、ただのサービスキャンペーンなので、例外だと言うかもしれません。でも、今日、こんなニュースがありました。


http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060622/listen.htm


 このCDプレゼントのアルバム、販売開始から一週間で、2,000枚分もダウンロードされたそうです。今時、アルバムが2,000枚売れたとしたら、それは十分な量です。今回のプレゼントCDを、ただの例外で済ますには、多すぎるでしょう。
 今回のキャンペーン、第二弾・三弾も用意されているとか。この先、音楽販売の値段を考えるのに、興味深い事例だと思うので、注目していきたいと思います。