「昆虫の食べ方」

 自衛隊の軍事情報が、ネットに流出した事件に関連して、こんな記事がありました。


陸自サバイバルレシピ流出「昆虫の食べ方」
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_03/t2006030201.html


 この記事によると、各種軍事情報と共に、「レンジャーハンドブック 平成13年度版」のデータが流出していたそうです。そして、その中に、サバイバルの一環として、昆虫の食用方法があったと言う記事です。
 事実情報としては、まったく面白く無いですが、実際に、その昆虫の食用方法を紹介していて、ネットで話題になっています。

 「イナゴ 付け焼きにしてもいいし、煮たり、炒めたりしてもよい」というのはまだ序の口。「セミ 生で食べてもOK。唐揚げもよい」「アリ 炒めて食べる。香ばしい香りがして、味もなかなかのもの」と、なぜかうまいものガイドとなっている。味の真偽は不明だが、マニュアルを片手に虫を食うレンジャー隊員の苦労がよく分かる。

 などなど、です。この記事は、最後に軍事評論家の方が、「レンジャーの教本は米軍のフィールドマニュアルを翻訳したものが元になっている。(以下略)」と解説して締められていました。


 …が、この昆虫の食べ方について、私は似たものを読んだ記憶があります。確か…これっ。


冒険手帳―火のおこし方から、イカダの組み方まで (知恵の森文庫)

冒険手帳―火のおこし方から、イカダの組み方まで (知恵の森文庫)


 「火をおこす」「獲る」「寝る」「測る」など、遭難対策マニュアルみたいな本です(笑)。ここに、虫の食べ方についての記述があるのです。具体的には、次の虫について書かれてます。

  • ハチの子
  • サクラケムシ
  • マツケムシ
  • イモムシ
  • セミ
  • カミキリムシ
  • カブトムシ
  • バッタ
  • ムカデ
  • カマキリ
  • クモ
  • トンボ
  • ウジ

 一方、先の「レンジャーハンドブック」では、実物を持って無いので紹介記事を参照すると、(少なくとも)次の虫について書かれてます。

  • イナゴ
  • セミ
  • アリ
  • カマキリ
  • カブトムシ
  • クワガタムシ
  • カミキリムシ
  • クモ
  • シロアリ
  • ムカデ
  • ハチの子
  • サクラケムシ
  • イモムシ
  • ウジ

 かなり共通しているのが分かるでしょう。内容も、記事で紹介されている限りでは、かなり似ています。以下、「冒険手帳」からの引用です(表現が似ている部分のみ抜粋)。

イモムシ
 つかまえたら、たき火の中に放り込んでしまう。ポン、ポン、という皮のはじける音がほどよく焼けたという合い図だ。

カミキリムシ
 幼虫は、木の幹に穴を掘って住んでおり、テッポウムシとよばれる。(略)そこをすかさずひっぱりだして食べてしまう。とろりとして、ほのかに甘い味がする。焼いて食べてもいける。

カブトムシ
 (略)こうばしい香りがして絶品である。成虫も、羽や脚がこげる程度に焼くと、じゃまにならずに食べられる。

クモ
 脚をちぎって食べる。チョコレートの味がする。

 一方、流出記事で書かれている、「レンジャーハンドブック」の内容は、以下の通り。

イモムシ
 焼いて食べる。ポンと皮がはじけたら食べ頃だ。

カミキリムシ
 幼虫はテッポウムシという。生でもいけるし、焼いてもよい。生のあじは刺身のトロに似ている。

カブトムシ
 幼虫の焼いたものは香りもよく、一度食べたらやみつきになりそう。成虫は羽や足が焦げる程度に焼こう。

クモ
 足を取ってから食べる。味はチョコレートそっくり。

 書きやすい部分だけ抜き出してみましたが、全般的に、かなり重複部分が多いです。「レンジャーハンドブック」が「冒険手帳」を元にしているか、「冒険手帳」の作者が関わっている事は、間違いないでしょう(両者が同じ資料を参考に書いた可能性も、一応あり)。
 自衛隊のレンジャーの教本が、私の知ってる本を参考にしてる可能性が高いと分かり、妙に嬉しくなり、紹介してみました。



 …私が、なんでこの本読んだ事があるかは、秘密です (^^;;;)